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いじめ、児童虐待、非行など、子どもを取り巻く問題は、多様化、複雑化の傾向にあります。子どもや子育て中の家庭を支援するために、地域社会全体の取り組みが必要となっています。
本会では、地域福祉の推進に向け、民生委員・児童委員と保護司の活動を支援していますが、その取り組みとして、民生児童委員・保護司連絡会(以下、連絡会)を設置しています。
今月号の特集では、連絡会の活動について紹介するとともに、民生委員・児童委員と保護司の連携の在り方を考えます。
現在、埼玉県では約10、000人の民生委員・児童委員と約1、600人の保護司が活動しています。地域の身近な相談者として幅広く活動する民生委員・児童委員と、児童の健全育成、非行問題、社会教育などの分野で活動する保護司では、主な任務は違いますが、共に行政委嘱のボランティアとして地域住民の生活を守り、支援する役割を担っています。
本会で設置している連絡会は、埼玉県民生委員・児童委員協議会(以下、県民児協)と埼玉県保護司会連合会(以下、県保護司会)の代表者を構成員としています。連絡会の目的は民生委員・児童委員と保護司の活動や役割を理解し合い、主に児童の健全育成や子どもへの支援について、共に地域で連携した活動を推進していくことです。また、事業内容の協議や地域での活動状況について情報交換を行っています。
連絡会の主要事業として、民生委員・児童委員と保護司との合同研究協議会(以下、合同研究協議会)があります。本会、県民児協、県保護司会、さいたま保護観察所の4団体共催により毎年開催しているもので、昨年度で11回目を迎えました。
昨年度の合同研究協議会は、平成20年1月下旬に南部・北部の2会場で開催しました。午前は「児童を取り巻く諸問題と問題解決に求められること〜相談の現場から〜」と題して、南部会場では新座市教育相談センター教育相談室相談員の木下保則氏、北部会場では熊谷市家庭児童相談室相談員の瀧澤繁雄氏に、児童をめぐる相談の傾向や事例を中心とした講演をしていただき、午後は民生委員・児童委員と保護司による実践報告とグループ討議を中心に行いました。参加者からは「具体的な事例があり、参考になった」「地域のために連携を取ることの必要性が感じられた」といった感想が多数寄せられました。
県単位では年に一度、合同研究協議会を行っていますが、各市町村での両者の活動状況はどうでしょうか。
昨年度、連絡会では民生委員・児童委員、保護司それぞれの活動状況について市町村単位(さいたま市は各区)でアンケートを実施しました。その結果、両者による相互理解や個別支援の点において、連携交流が図られている地域が少ないという現状が分かりました(グラフ参照)。

これまで実施してきた合同研究協議会での参加者のアンケートも含め、両者の連携の必要性を多くの方が認めているものの、具体的な連携までには至っていない状況があります。
それでは、実際に民生委員・児童委員と保護司で連携を図っている地域では、どのような活動を行っているのでしょうか。ここでは、昨年度の合同研究協議会における実践報告を紹介します。
飯能地区保護司会の宿谷昌生会長からは、地域における両者の会について報告していただきました。飯能市では、保護司が働き掛けて、主任児童委員との情報交換会を実施したことが契機となり、その後、年に一度、中学校区ごとに分かれて、民生委員・児童委員の役員と保護司で、地域の様子について話し合う会が実施されています。この会を通して、お互いの活動を理解し、地域や学校の状況について知ることができたといいます。そして、お互いが負担にならない程度の回数と規模で継続した開催をしていきたいとの報告がありました。
また、ほかの地域(伊奈町、本庄市、熊谷市)からも報告がありましたが、いずれも個別支援といった具体的事例としての連携ではなく、両者による会や研修の開催といった内容でした。まだ、相互理解のための取り組みを始めた段階であり、今後の具体的な取り組みが検討課題とされています。
民生委員・児童委員と保護司が連携を深めることで、非行や児童虐待などの問題が起きた後の対応だけでなく、問題発生の予防、保護司の手を離れた人への支援、安心・安全な地域づくりなどに結びつけていくことが期待されます。しかし、実際には両者の連携活動はあまり進んでいない現状があり、そこにはさまざまな要因、課題があります。アンケートや合同研究協議会における参加者の声などを通して「守秘義務があり、情報共有に制限がある」「どこが主導で連携を行うべきか」といった意見が聞かれました。また、社協に対して「連携の中心的役割を担ってほしい」といった要望も寄せられています。
それぞれの地域性、各機関との連携状況、事務局体制などにより、連携の在り方はさまざまです。中心的役割を担う機関も、社協、行政、学校などが考えられます。今回、実践報告の一部を紹介しましたが、まずは、両者の連携の必要性を認識した上で、お互いが顔を合わせ、相互理解と地域活動に対する意識の共有を深めることが第一歩となります。そうした関係づくりを通して、共通課題を発見し、話し合うことで、それぞれの地域に合った活動の推進につながっていくと考えます。
連絡会では、相互の役割の理解と連携交流の必要性を伝えていくことを主眼に合同研究協議会を開催してきましたが、今後は、単に必要性を伝えるだけでなく、アンケート集計結果や合同研究協議会の参加者の声を基に、地域における両者の連携をどのように支援していくのか協議し、地域に広げられるような事業に取り組んでいきます。
〈平成19年度合同研究協議会 参加者アンケートより〉

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