県社協のご紹介
県社協のご紹介
飯能市内の社会福祉法人で設立した「飯能市社会福祉法人地域公益活動等連絡会」(以下、連絡会)。飯能市社会福祉協議会(以下、飯能市社協)が事務局となり、高齢、障害、児童などの福祉事業を展開する法人が、それぞれの専門性や強みを生かしながら、地域課題の解決や福祉教育の推進に取り組んでいます。
市内の9つの社会福祉法人(おぶすま福祉会、京悠会、埼玉現成会、名栗園、はなみずき会、武州清寿会、むさしの福祉会、弥生会、飯能市社協)で構成される「飯能市社会福祉法人地域公益活動等連絡会」のメンバーが集合!
市内の大学から依頼を受けて車いす講習会を開催。学生の参加者は基本的な操作のほか、スクールバスの昇降も学びました。
2016年に社会福祉法が改正され、社会福祉法人の「地域における公益的な取組」が責務とされたことに加え、第3次はんのうふくしの森プラン(第3次飯能市地域福祉計画・第4次飯能市地域福祉活動計画)および飯能市介護予防・生活支援サービスの充実に関する提案書に社会福祉法人への期待が記されました。近年、現状の制度では対応できない新たな福祉課題が次々と顕在化してきており、さらに、新型コロナウイルス感染症の拡大は、さまざまな福祉課題をより一層深刻化させました。そこで、飯能市に9つある全ての社会福祉法人それぞれが持つ強みや特徴を集結し、「オール飯能」で市内のさまざまな福祉課題の解決に向けて取り組んでいくことを目的に、2021年に連絡会を設立しました。
生活困窮者の支援活動や福祉教育への協力
連絡会はまず地域課題について話し合いを重ね、2023年3月にコロナ禍によって急増した生活困窮者の方への支援活動「あったか♡(はーと)バンク飯能」に取り組むこととしました。9法人が職員から食品や日用品などの寄付品を集めて無料配布する事業です。初回は、各法人からの拠出金を活用して食品を追加購入し、配布しました。
困窮者に周知する方法が課題でしたが、飯能市社協が相談支援やフードパントリーなどの活動を通して、日ごろから生活困窮世帯とつながっていたことから効果的な周知活動ができました。また児童分野の法人は、園児や保護者と日常的に関わるなかで把握していた困窮世帯に個別に声を掛けました。
1回目から30世帯が利用し、感謝の声が数多く寄せられたことから、年1回継続的に開催しています。
「多様な分野の法人が連携し、地域のさまざまな方を支援できるのは、連絡会の強みです」と同連絡会幹事長の藤野陽介さんは言います。
また、連絡会は福祉教育の推進にも関わっています。市内の小学校から「障害者支援について学びたい」「高齢者福祉をテーマに」といった依頼があると、飯能市社協と一緒に、テーマに関連する法人の職員が学校に出向いて講師を務めています。
さらに一昨年から市役所と社協の新人職員に向けた福祉研修を開始しました。車いす体験を高齢分野の法人が担当し、障害者への理解を深めるワークショップを障害分野の法人が担当しています。参加者から「業務の中でとても役立つ」と好評を博しています。
新たな取り組みについて、連絡会では、全国的に自然災害が多発しているなか、災害発生時に9法人がどのように連携して助け合うことができるかを検討していきたいと考えています。
最後に複数法人で公益活動を行う意義について、飯能市社協の原口大雅さんに伺いました。
「法人単独ではできないことも、多分野の法人同士がつながることで、取り組みや検討が可能になります。連絡会では、このつながりを力にして地域の課題解決を目指し、地域の支えとなっていきたいと考えています。」
福祉の魅力・やりがいを言葉にすると?
飯能市社会福祉法人地域公益活動等連絡会
幹事長
社会福祉法人 名栗園
総合ケアセンター太行路
副施設長
藤野(ふじの) 陽介(ようすけ)さん
事務局
社会福祉法人 飯能市社会福祉協議会
地域福祉推進係
主事
原口(はらぐち) 大雅(たいが)さん
Q1.この言葉を選んだ理由を教えてください。
藤野さん
就職活動中の方から「福祉の仕事をするにあたって、何が必要ですか?」という質問をよく受けるのですが、私は「やさしささえあれば、この仕事はできますよ」と答えることにしています。困っている人に対して手を差し伸べるというやさしい気持ちを持っている方であれば、心配無用です。ぜひ福祉の業界に入って活躍してください。
原口さん
今、コミュニティソーシャルワーカーとして活動していますが、地域の方の想いや自分の想いを形にできることが福祉の魅力だと実感しています。また地域の方の想いを聞いたり、自分の想いを伝えたりしながら、安心して暮らせる地域づくりのために仕事ができることにやりがいを感じています。今後も「想い」を大切にして、地域福祉の推進に取り組みたいと思います。
Q2.地域住民の方にメッセージをお願いします。
藤野さん
お困りごとがございましたら、どんなことでも気軽に声を掛けてください。当法人は多角的な事業を行っております。たとえ高齢福祉以外のご相談であっても、関係機関や他職種につなげることもできます。
原口さん
社会福祉協議会はいろいろな暮らしの困りごとの相談に応じることができる機関ですので、ぜひお気軽にご相談ください。窓口に来ていただいても、電話でもメールでも受け付けています。