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県社協のご紹介

今月のキラリ(2023年8月)

品質・工賃の向上を目指すことで、 障害者の活躍の場が拡大           社会福祉法人 埼玉福祉事業協会(さいたま市)

 製品の品質向上と工賃向上を目指して、異なる業種とつながりながら就労支援事業を展開している埼玉福祉事業協会。その結果、障害者の皆さんが地域で活躍できる場が広がっています。

本人画像

就労支援のプログラムとして、シクラメンなどの草花やブルーベリーなどの果実の栽培をしています。果実は菓子工房でケーキの素材としても使用。

活動写真

養蜂場で採れたてのはちみつを味見する理事長の髙橋清子さん(写真左)。びん沼川沿いの桜や菜の花の香りが詰まった、豊かな味わいです。

 

 さいたま市を中心に障害福祉サービス事業を幅広く展開している埼玉福祉事業協会は、通所と入居の利用者合わせて300人以上を支援している社会福祉法人です。利用者の「働きたい」という想いを実現し、自立に寄与できる工賃の向上を目指してきました。
 そのためにはまず「一般企業と対等に競える製品づくり」が不可欠と考え、独自の取り組みを進めてきました。そのひとつが福祉分野にこだわらないさまざまなキャリアを持つ職人の雇用です。入職後は、障害者支援の知識や技術を学んだうえで、パン工房や菓子工房で直接、技術を伝えています。
 養蜂家の協力のもとで養蜂業も始めました。丁寧に手作業で採蜜した、非加熱・無添加のはちみつは、人気商品となっています。さらに地元の人気店「松葉納豆」が後継者不在のため閉店が決まった際は、創業者の職人から技術指導を受けました。全国納豆鑑評会で最優秀賞を受賞した「松葉納豆」の味を忠実に再現した「杉の子納豆」は、メディアでも取り上げられ、発売以来安定的に売れ続けています。
 産学連携を超えた新しい共創で生まれた「産学福」のコラボレーションもスタートしました。利用者が描いたイラストを女子美術大学が手提げなどの雑貨に製品化し、オンラインショップで販売しています。
 福祉分野を越えた異なる業種とつながることで、品質が向上するだけでなく、付加価値をつけて市場に送りだすことができるようになりました。

 

6次産業化を進めることで障害者の活躍の場が増加


 一方で販売網を拡大していくために「杉の子マート」という販売店を市内中心に8店舗オープンしました。利用者が作った野菜や観葉植物、パンや菓子などを陳列して、利用者が接客やレジを担当しています。またレストランや喫茶店も運営しています。
 法人理事長の髙橋清子さんは「このように“6次産業化(※)”を推進してきたことで、実際に品質・工賃の向上につながり、さらに利用者の皆さんの活躍の場が広がりました」と話します。
 仕事の幅も広がり、この法人では現在19種類の仕事を実施。利用者本人の希望や得意分野に沿って選択できるようになりました。その結果、安定した工賃の支給にもつながっています。
 6次産業化は、異なる業種の方が障害者の方と一緒に仕事に取り組んできました。地域のなかで障害者への理解が深まることで、障害があっても当たり前に働くことができる社会の実現につながることが期待されます。

 

※6次産業化とは、生産(1次産業)、加工(2次産業)、販売(3次産業)を一体的に進めること

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社会福祉法人 埼玉県社会福祉協議会

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