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福祉用具のQ&A

1:介護保険の申請はしていないが、もうすぐ家族が退院してくるので、退院したら必要な福祉用具をすぐ使えるように用意してお きたい。

入院中でも退院のめどがついたら、要介護認定の申請ができます。

退院後に慌てないように、できるだけ入院中に申請し、ケアマネジャーも決めておく準備があるとよいでしょう。ただし、入院中は医療保険の適用になるので、介護保険は利用できません。

市区町村の窓口に介護保険の申し込みをします。利用者の介護度が正式に認定される前でも介護サービスを利用できます。介護保険は認定まで、約1か月以上かかりますが、(ケアマネジャーが判断した時に限り)申請した日までさかのぼって利用できるが、万が一、非該当になった事を考えて自費でレンタルする事もできます。また、入院前に要介護認定を受けていた方でも、体の状況に応じて要介護度が変化していることもあるので、その場合は、要介護度を見直す必要があります。(変更申請)

2:福祉用具は介護保険を使って(安く)購入できるのか?

年間に10万円分の福祉用具と購入価格の1割(※)負担で購入が出来ます。介護保険購入

ポータブルトイレや入浴用具など衛生的にレンタルになじまない福祉用具は、購入することになります。※1割負担、2割負担など本人の収入によって変わってきます。(要支援・要介護どちらも)。

例えば、20,000円の入浴イスを購入した場合、1割負担の方なら、2,000円で購入できます。同一品目でなければ、予算内でポータブルトイレや入浴イスなどを購入できます。

予算オーバーした分は自己負担が生じます。1年単位なので、翌年も10万円分購入することが出来ますが、破損などの理由なく同じ用具を購入することはできません。

3:介護保険を使って車いすを、安く購入できるのか?

購入はできません。(レンタルのみ介護保険対象)

介護保険では、レンタルできる福祉用具と購入できる福祉用具は区別されています。例えば、介護保険で車いすはレンタルできるが、車いすを購入したい場合は全額自費(保険適用外)になります。

それでも福祉用具を長期間使用するのなら、レンタルするよりも購入した方が安くなるのではないか?といった疑問の声を聞くことがあります。

介護保険でレンタルした場合と一般購入した場合の価格を比較してみると、一例として、一般購入額128,000円(定価)の標準型の自走車いすは、介護保険でレンタルすると月額500円程度(自己負担1割の場合)になります。

従って、レンタル料金256ヶ月分で一般購入額に到達します。256カ月を年にすると21年以上。レンタルできる福祉用具は、購入するよりも安くなるという判断ができます。自己負担3割負担の方だと、長期的に考えると購入のほうがよい場合もあります。

4:施設入所している。介護保険で福祉用具を購入や、レンタル ができるのか。

施設種類によって異なります。

施設で用意することになっているので、できないところが多いです。

例えば、介護付有料老人ホームで外部サービス利用型特定施設入居者生活介護の場合や、サービス付き高齢者住宅で住宅型などの施設は、介護保険レンタルで福祉用具が利用できます。入所している施設に確認してください。

5:福祉用具をレンタルしている。入院になった場合レンタルは、 返却する?

短期間の際は返却不要です。

短期間の際は返却不要です(貸与休止扱い)。費用は発生しません。長期入院になる場合は、引き上げになることもあります。

まずは、レンタル契約している福祉用具貸与事業所に連絡をしてください。

6:転びやすくなり、歩くのが不安になってきた。

歩行目的にあったものを使いましょう。

①杖 ②シルバーカー ③歩行器(主に屋内) ④歩行車(主に屋外)など歩行をサポートするものがあります。歩き方、どういうときに使いたいかなど、目的によって変わってきますので、使う場所、また身体の状態にあったものを使いましょう。

①杖・・・比較的歩ける方で、膝が痛い、体を少し支えたいなどの方にお勧めです。杖の種類は、「一本杖」、一本杖より体重を掛けられる「多点杖」、握力がない方に「ロフストランドクラッチ」、「松葉杖」など様々な形があります。一本杖は、介護保険レンタル対象外になります。

②シルバーカー・・・杖を使っているが、少し体を支えるのが大変になった、歩くことはできるが長時間歩けない、重いものが持てなくなってきた方が使います。介護保険レンタル対象外になります。

歩行器(主に室内)・・・身体を囲むような作りで、手や腕で身体の荷重を歩行器に預け、足腰にかかる負担を軽減します。伝い歩きの方や足のリハビリで使用します。介護保険レンタル対象です。敷居の段差や、毛足の長い絨毯はキャスターに絡まるなど環境によってスムーズに移動できない場合があるので、使用環境の整備と動線の確保などが必要となります。

歩行車(主に屋外)・・・足元が不安定な方には、転倒の危険があるためシルバーカーはおすすめできません。歩行車のほうがシルバーカーより体を支える面積が広いため、安定性があります。傾斜面での傾きを制御し、アシストしてくれる電動タイプや、抑速機能付きで、先走る歩行車のスピードを押さえ、ゆっくり歩くことが出来ます。また歩行時にひじを載せて押せるタイプなどもあります。

介護認定が比較的軽い要支援の方は歩行車は介護保険レンタル対象です。歩けるのに車いすに頼ってしまうと、使わない筋肉が衰えてますます歩けなくなるので、歩行車などを利用し筋力を保つことをお勧めします。

7:特殊寝台って何?

一般的にいう介護ベッドのことです。

介護保険レンタルを利用の場合、要介護2以上の方がレンタルできます。対象外(要支援1~要介護1)の方は自費レンタルすることができます。モーター数にもよりますが、背上げ、足上げ、高さ調節がついていますので、起き上がりやベッドから立ち上がる際の動作がしやすくなります。ベッドの脇には柵が取り付けられるようになっています。柵につかまって立ち座りするとぐらぐらして危ないので、柵のかわりに介助バーを取り付けるとぐらつきがなく、ベッドの起き上がりと立ち上がりがしやすくなります。

 

8:介護ベッドを使う際、マットレスの上には何を敷けばいい?

おすすめは防水シーツです。

直接シーツを敷くか、汗取りの為ベッドパッドを敷いてからシーツを敷くことをお勧めします。尿漏れが心配な方は、防水シーツを使用するとよいでしょう。

9:レンタルした車いすのタイヤの空気がすぐ減ってしまう。対応してもらえるのか?

   修理や交換をしてもらえます。

パンク及び虫ゴムの劣化の為なら修理してもらえます。あまり使わなくても、すぐ減ってしまうなら、ノーパンクタイヤの車いすに交換するのも便利です。(最近では、乗り心地の良いノーパンクタイヤも出てきています)

10:車いすを2台借りることはできるか?

使用目的や、使用場所を使い分ける必要があれば可能です。

ただしケアマネージャーに相談してください。

11:外に出るとき、大きい段差があり出にくい。手すりをつけ たが、上り下りができない。また、玄関前にスロープを置くスペース もない。

段差解消機が有効です。

段差が大きくてスロープでは解消できない、こういった場合にテーブル面が上下する段差解消機が有効です。車いすに乗ったまま、安全に段差解消を行ないます。玄関からの出入りが難しくても、掃き出し窓がありスペースがあれば設置できます。介護保険対象です。置くだけで使用できるタイプがあります。

地面をコンクリートで平らにする工事をする必要がある場合、工事費は自費となります。

12:手すりをつけようと思うが、どれがいいのかわからない。

設置場所・目的・ご本人、介護者の身体状況によっても違います。

太さ、素材、形状、つかまる高さも考慮します。介護保険の住宅改修で行う方法と介護保険レンタルの方法で置き型の手すりもあります。

 

代表的なものでは・・・

住宅改修

水平型(横型)は、地面や床に対して水平に取り付け、つかまりながら歩けます。(廊下に取り付けられることが多い)

縦型は、地面や床に対して垂直に取り付け、立ち座りや玄関などの上り下り、お風呂の出入りなど握って体を支えます。

L字型は、トイレやお風呂、玄関の立ち座りに使われることが多いです。

 

介護保険レンタル

床と天井を垂直に取り付ける突っ張り型や、ベッドやソファーの横に置き、立ち上がりに使用できる据え置き型などがあります。

バランスを崩し怪我や骨折をしやすいので、手すりのようにつかまるものがあれば、転倒予防になります。

13:在宅介護になるので、家を住宅改修したい。

住宅改修が必要と認められた住宅の要介護者・要支援者に対して20万円を上限に介護保険が適応されます。そのうちの1割(所得に応じて1割~3割)が自己負担になります。また、介護度が3段階以上上がった場合、又は転居した場合は再度利用可能です。

 

適用を受けるには、ケアマネジャーなどに「住宅改修が必要な理由書」を作成してもらい、市区町村に事前申請します。

住宅改修の範囲は決められています。

①手すりの取り付け

②段差や傾斜の解消

③滑り防止及び移動の円滑化のための床又は通路面の材料の変更

④引き戸への扉の変更、新設、扉の撤去

⑤洋式便器等への取り替え

⑥その他前各号の住宅改修に付帯して必要となる住宅改修

が対象となります。

この制度は一時的に身を寄せている家族などの住宅は対象外です。

また、置き型の手すりは介護保険でレンタルになりますので、工事を伴う手すりは住宅改修となります。

具体的には、床の段差を解消する工事、ドアを開き戸から引き戸に変更、アコーディオンカーテンに変更、和式便器から立ち上がりが楽な洋式便器への変更などです。住宅改修の見積もりは2社以上取り比較して決めるとよいでしょう。

14:認知症で徘徊がある。知らない間に家から出ていくことあ る。どうしたらよいか?

見守り装置・見守りサービスがあります。

まず、なぜ徘徊するのか原因を考えて、どう接すればいいのかも知っておきたいものです。

徘徊感知器としては、マット型のタイプがあり、重さを感知してベッドから離れたことがいち早くわかるものと、赤外線センサーで感知器の前を横切ったときに反応するタイプもあり、介護者にお知らせしてくれます。

 

徘徊するご本人に発信機を持ってもらう方法もあります。発信機は靴の中敷きの中に埋め込むタイプや、お守り袋に入っているものもあります。GPS付きの機器では、今どこにいるのか携帯の地図アプリで検索できます。

警備会社のGPS端末を利用し、現在地を検索することはもちろん、緊急時にはガードマンが駆け付けるサービスもあります(別途有料)。

見守りサービスは初期費用のほか、月額料金がかかりますが、内容、料金に関しては各会社で違います。

無線で介護者に届く機器は、電波が届かなければ作動しません。電波の届く距離は100メートル程度が一般的なので、遠くまで徘徊してしまう方には向いていません。

 

また、見守りカメラで見守り、音声で呼び止めたりできるものもあります。

徘徊感知器で介護保険レンタルできるものもあります。

15:福祉用具を使ってみないとわからない。お試しはできるのか?

お試しできます。

必要に応じて1週間程度のお試し(デモ)を行っている福祉用具販売店は多いです。

16:介護用品(入浴用品、ポータブルトイレ等)を用意したいが、どのような手続きをすればいいかわからない。

介護保険の認定を受けている場合、担当のケアマネジャーに相談、福祉用具、販売店の人にカタログ、商品などの説明を受け、調整のうえ申請手続きをします。

17:2階にいる家族を呼び出したいが、声ではなかなか気が付かないのでどうしたらよいか?

呼び出したい本人が送信機を押すと、受信機でメロディが鳴ったり、光などで知らせてくれる機器があります。

受信機は台数を増やすことができ、居間や寝室、台所、トイレなどに受信機を置けば、壁の厚さにもよりますが屋内100mの範囲使用できます。

アダプター(電池残量を気にせず使用)や乾電池で使用します。

 

18:要介護認定を受けようと申請したが、実際と異なる要介護認定が出たので納得がいかない。正しく認定されなかったと感じたらどうしたらよいか。

担当のケアマネジャーに相談し「区分変更申請」を行ないます。

判定結果が妥当かどうか、介護度が上がる見込みがあるか、上がったらどのようなサービスが受けられるのかをケアマネジャーに確認してください。

「区分変更申請」は、本来病気の進行などで要介護度が変化したとみられる場合に、次の更新(認定期間終了)を待たずに、要介護認定を申請するもので、再調査の結果が出るまでは30日以内。

もう一つの手段としては、認定が下りてから60日以内に市区町村の介護保険担当課に「不服申し立て」するという方法があります。しかし、これは新しく認定結果が出るまで数か月かかってしまうのであまり使われていないようです。