県社協のご紹介
県社協のご紹介
日本で働く外国人が増加する中、日本語を母国語としないこどもたちも増えてきました。青少年多文化学びサポート(Educational Support for Multicultural Youth)は、外国にルーツのあるこどもたちが安心して生活できるよう支援を展開しています。
学習者募集のために、市内の全ての小・中学校と定時制高校にチラシを配布し、日本語学習が必要なこどもに渡してもらうなど、学校の協力は欠かせません。その他ホームページや人の紹介を通して、受講につながることもあります。
所沢市国際交流フォーラムで、ネパール出身の学習者が民族衣装を着てダンスを披露。自分自身をアピールする機会にもなりました。
青少年多文化学びサポート(以下ESMY)は2012年に所沢市を活動拠点として設立されました。もともとは国際交流を目的とした大人向けの活動を行っていた団体でしたが、徐々にこどもの参加者が増加し、そのこどもたちに日本語学習のニーズがあったことから、別団体としてESMYが立ち上がったという経緯があります。
現在は就学前の児童から20歳くらいまでの青少年を対象に、日本語だけでなく、数学などの学習支援も行っています。学習者の登録は約120人(令和8年3月末現在)で、出身国はネパールが多く、中国やミャンマーなどアジア圏が大半を占めています。
教室は市内の公民館や自治会の集会室など5カ所に設置し、それぞれ週1回実施。こどもたちの日本語のレベルはさまざまなので、集団授業ではなく個別に学習支援をしています。外国にルーツのあるこどもが増加しているため、マンツーマンで対応することが難しい教室も出てきており、支援者を増やすことが課題となっています。
支援者は現在約60人。ほとんどはシニア世代で、約半数が元教員ですが、一般企業で働いていた方も活動しています。なかには学習者だったこどもが大学に進学し、支援する側になったケースもありました。
市が実施している「日本語学習支援ボランティア養成講座」を受講する会員も多いのですが、ESMY代表の持丸邦子さんは「座学の知識だけでは上手に教えることは困難で、経験を積むことが一番大事」だと考えています。
ESMYは地域交流活動にも取り組んでいます。3月には市が主催する「所沢市国際交流フォーラム」に参加。学習者がダンスや歌を披露して、市民との交流を図りました。クリケットの大会に参加して優勝したこともあるそうです。
学習時間が削られるこども
活動を通して見えてきた課題として、持丸さんは「一部の学習者たちは学習時間が十分に確保できていないこと」を挙げます。日本語をほとんど話せない保護者が大勢いるため、こどもが通訳として、行政の手続きや通院の付き添いなどに同行し、学校をたびたび欠席することがあるそうです。また、幼い兄弟の世話を任され、学習に支障をきたしている学習者もいます。
さらに、日本の滞在期間が長くなるにつれて母国語を忘れてしまうこどももいるため、親子間のコミュニケーションに問題が生じることもあります。
そこで、保護者のための日本語学習支援教室を紹介したり、就園や就学の支援なども行ったりしています。ESMYは日本語を教えるだけでなく、外国にルーツのあるこどもたちが、安心して生活し学習できるように、多面的な支援を続けています。
福祉の魅力・やりがいを言葉にすると?
青少年多文化学びサポート
(Educational Support for Multicultural Youth)
代表
持丸(もちまる) 邦子(くにこ)さん
Q1.この言葉を選んだ理由を教えてください。
ESMYの学習者のこどもたちは、元気にあいさつしながら教室に入ってきますが、心配事があったりするといつもと違う暗い表情を見せます。しかし、私たちと一緒に勉強したり、おしゃべりをしたりするなかで、にこにこした表情に変わってくるとホッと安心できます。こどもの笑顔に出会えることは、私たちの活動の大きな魅力になっていると感じています。
表情が冴えず、学習もはかどらないときは「この子は今、本当は何がしたいのかな」と考えるようにしています。学校や家庭で課題を抱えていることも多いので、悩みを聞いて一緒に考えることもあります。
私は昔からこどもが大好きだったのですが、支援者の皆さんもこどもが大好きで一緒に学習することが楽しいという思いで活動しています。
ESMYは県社協のひまわり基金など、助成金だけで活動費を賄っています。学習者は経済的に苦しい家庭のこどもが多いため、授業料はいただいていません。そのため、支援者には交通費程度しかお支払いできないのですが、皆さん、一人一人のこどもに寄り添いながら、親身に支援活動に取り組んでいます。私たちの教室はいつもこどもの笑顔に満ちています。