MENU

県社協のご紹介

今月のキラリ(2023年7月)

「みんなの支援と協力で立ち上げた 自主運営型の病児保育室」みんなでつくる病児保育室 つむぎのおうち(越谷市)

子育て支援の一環として、病気の子どもの保育と看護を担う病児保育室。「つむぎのおうち」は、地域住民や企業の協賛など、みんなの支援を受けながら自主運営している施設です。

本人画像

「つむぎのおうち」のスタッフの皆さん。看護師1人、保育士9人で定員10人の子どもの保育を行っています。前列中央が小児科専門医の吉岡淑隆さん(つむぎこどもクリニック院長)。

活動写真

体調に合わせた活動が基本ですが、多くのお子さんは一般の保育園に近い状態で楽しく過ごします。感染予防のために、最大4部屋に部屋を分けることができ、水ぼうそうなど空気感染する病気の子どもにも対応しています。

 

 2021年10月、越谷市に病児保育室「つむぎのおうち」がオープンしました。病児保育室とは保育施設や小学校に通う子どもが病気になったとき、保護者に代わって専門職が、保育と看護を行う施設です。子どもたちの健やかな成長を支援するとともに、仕事を休みづらい保護者の就労支援の役割も大きく、共働きやひとり親世帯にとって心強い存在になっています。
 「つむぎのおうち」は小児科クリニック「つむぎこどもクリニック」の2階に併設しているため、専門医や看護師が常駐しており、病状の変化を見逃さずにケアができるというメリットがあります。定員は一日10人。国の病児保育の保育基準である保育士1人:児童3人よりも手厚い保育士1人:児童2人という職員配置で対応しています。
 病児保育室は自治体からの委託事業として運営する施設が多いのですが「つむぎこどもクリニック」院長の吉岡淑隆さんによると、補助金に頼らず、寄付や協賛により運営をする施設として立ち上げたという経緯があります。そのため自由な運営が可能になり、他市在住の子どもも受け入れが可能となっています。

 

施設の宣伝に役立ったクラウドファンディング

 

 立ち上げや運営に当たって、多くの人から寄付を受けていることが特徴的で、クラウドファンディングを3回活用しました。1回目は全国に向けて設立資金の一部を募り、2回目は地域に向けて初期利用者を集めるため、3回目は事業の継続と仲間を増やすために実施しました。寄付とともに「本当に助かっています」「必要不可欠な施設です」というメッセージも数多く寄せられ、吉岡さんは大きな手ごたえを感じたといいます。
 実はクラウドファンディングを活用した主な目的は資金集めよりも宣伝のためだったという吉岡さん。SNSでも積極的に発信していますが、クラウドファンディングとの相乗効果もあって、年間で延べ1200人ほどが利用しています。また地域の人からおもちゃなどの備品を寄付される機会も多く、オムツは寄付だけで賄える状態だといいます。
そのほか、企業や団体からの寄付、賛助会員の支援金(年会費)なども運営に役立てており、まさに「みんなでつくる病児保育室」という名称にふさわしく、新しい病児保育のモデルとして注目されています。
 とはいえ人件費がかさむため、経営は赤字で、クリニックの収益で補てんしている状態です。実は国の委託事業として運営している病児保育室の多くが赤字経営であり、今後の課題として挙げられます。
 今後は「つむぎのおうち」で保育と看護の両方に対応してきた保育士の知識と経験を活かして、地域の子育て家庭や保育施設を対象に勉強会を開催して、子育てしやすい地域づくりにつなげたいと考えています。

会員用ページ

社協用

社会福祉法人 埼玉県社会福祉協議会

〒330-8529
埼玉県さいたま市浦和区針ヶ谷4-2-65
彩の国すこやかプラザ内
TEL:048-822-1191 FAX:048-822-3078

  • 三菱電機ビジネスシステム
  • 広告募集中
  • 広告募集中