県社協のご紹介
県社協のご紹介
暮らしの中でパソコンなどの情報通信技術を使う機会が増えましたが、高齢者のなかには苦手とする方も多くいます。「桶川ITネット」が開催するパソコン講座は18歳以上が対象ですが、中高年の受講者が多くデジタルデバイド(デジタル情報の格差)の解消を目指して活動しています。
桶川ITネットの会長、土屋徳康さん(左から3番目)と3名の副会長。左から庄野和夫さん、高橋厚雄さん、会長を挟んで川島明さん。
4つの委員会を設置し、役割分担をしながら活動をしています。またパソコン講座の取り組み以外にも、地域のお祭りへの出店や、会員メンバーで旅行を楽しむなど、地域や会員メンバーとの交流も楽しみながら活動しています。
6月に開催された「インターネット講座」。全4日間でホームページを見るための基本操作から、検索方法、利用する上での安全対策などを学びます。
桶川ITネットは、桶川市教育委員会が主催した「パソコン指導者養成講座」を修了した有志の皆さんが「パソコンの楽しさを地域の方々に伝えよう」と、平成14年に発足しました。
現在は市との共催で、「パソコン基礎講座」「ワード基礎講座」「インターネット講座」など、7つのパソコン講座を実施しています。講座の定員は15人で受講生を市報で募集しています。
講師を務める桶川ITネットの会員は現在21人で、そのうち女性が8人。会員の多くは70代です。IT関連の仕事に就いていた方もいますが、多くはパソコンが好きで独学で知識を身に着けた方々です。
知識や技術の差が大きいなかで講座の進め方に工夫を凝らす
受講生の目的はさまざまで「新たなことにチャレンジしたい」という方もいれば「町内会の役員になったので、書類を作成できるようになりたい」「仕事でエクセルを使いたい」という方もいます。受講生の知識や技術に大きな差があるうえに、現役世代から80代まで年齢の幅も広いので、教え方には難しさが伴います。そこで講座の進め方には工夫を凝らしています。
例えばメインの講師以外に2〜3人のサブの講師が付いて、受講生の様子を伺いながら、困っている方に対してマンツーマンで対応するようにしています。
「効率の悪い操作方法が癖になっている方も多いのですが、無理に直さずに、効率的な方法を伝えて、どちらの方法を選ぶかはお任せしています。
また、説明してもすぐ忘れて同じ質問を繰り返される方に対しても、繰り返し丁寧に対応します」と会長の土屋徳康さんは、対応する際の心がけについて話します。
そのような取り組みが功を奏し、受講生の方々は、インターネットやエクセルが使えるようになったり、当初の目的を達成できたりするといいます。
また「パソコンサポートセンター」を週一回開催し、パソコン機器の不具合や、使い方に関する相談を受けています。さらに視覚障害の方を対象に、パソコンの困りごとに対応する相談会(教育委員会との共催)のサポートも行っています。
最近、スマートフォンの使い方を覚えたいという高齢者のニーズが増えていることから、桶川市社協の紹介で自治会が実施する「スマホっとサロン」の講師として、基本的な使い方を指導するなど、活動の幅が広がってきました。
情報通信技術を学ぶことは、中高年にとってハードルが高いものですが「桶川ITネット」では同じ中高年のボランティアが、中高年の立場に立って、繰り返し丁寧に対応することで、デジタルデバイドの解消に大きく貢献しています。