県社協のご紹介
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学習支援が必要なこどもや不登校のこどものために、安心して学習したり遊べたりする居場所を立ち上げた市民団体があります。そこでは参加者の親子が多様な人たちとの交流を通じて、つながりを構築していました。
子ども達の学習・交流支援の会じゅげむ
事務局長の越河澄子さん(写真左)と、代表の二木桂子さん
「じゅげむ」の活動風景。小学生の参加者と大学生のボランティア、スタッフが一緒に、クリスマス会の企画について話し合いました。こどもたちからも、やりたいことについて意見が出ていました
「子ども達の学習・交流支援の会じゅげむ」は、2022年に発足した市民団体です。設立者の越河(こすごう)澄子さん(事務局長)は以前、ファミリーサポートの事業に携わっていたときに、生活困窮や親が留守がちなどの理由で、十分な学習環境にないこどもが増えてきたことが気になっていました。そこで仲間に声を掛けて、学習の場の提供や遊びの支援を行う会「じゅげむ」を立ち上げました。
現在は日曜日(月3回)に公民館で、地域の小学生を対象に、学習支援と遊びを通した交流を行っています。こどもたちは、「漢字が苦手」「算数が分からない」といった個別の課題について、大学生や元教員のボランティアのサポートを受けながら取り組みます。勉強の後は、ボードゲームやトランプなどをして楽しむ遊びの時間。「じゅげむ」の活動は学習だけでなく、異年齢のこどもたちや大人たちとの交流を深めることも目的に掲げていて、こどもたちはさまざまな立場の大人とふれあっています。
現在、団体のスタッフは15人、一回あたり5、6人のこどもが参加しています。
不登校のこどもたちのために平日の居場所を立ち上げ
「じゅげむ」の参加者のなかに不登校状態にあるこどもがいて、「平日の居場所もつくってほしい」という声が、保護者から寄せられました。そこで越河さんたちは団体の一事業として、「ワイワイじゅげむ」をスタートすることにしました。月3回、不登校のこどもを対象に学習や遊びの支援を実施し、安心してのびのびと過ごせる場をつくっています。毎回、5人くらいのこどもが参加しますが、活動を通して通学できるようになったケースもありました。
「じゅげむ」と「ワイワイじゅげむ」は合同で夏祭りやクリスマス会を開催しており、親子が横のつながりを広げる機会になっています。「当初、お母さんたちは『じゅげむ』に来ても、お客様状態でしたが、同じ立場のお母さんたちと横のつながりができるなかで、元気になり少しずつ強くなってきたと感じています」と越河さん。
団体の代表、二木(ふたぎ)桂子さんは「私たちスタッフは、親子の皆さんの自主性を重んじて、手出し口出しをしないで見守る姿勢を大事にしてきました。最近ではイベントの企画も、お母さんたちが積極的にかかわってくださるようになりました」と手ごたえを感じています。
昨年11月には「ワイワイじゅげむ」の保護者の自主企画で、一泊二日の修学旅行を実施。小学校の修学旅行に参加できなかったこどもたちも一緒に川越に出かけて、親子で思い出をつくることができました。
「じゅげむ」の取り組みを通して、当事者の親子を孤立させず、つながりをつくることの大切さが伝わってきました。