県社協のご紹介
県社協のご紹介
生命保険会社が一丸となって、生命保険業の健全な発達および信頼の維持のために活動している生命保険協会。実はさまざまな社会貢献活動を展開しています。
今回は、埼玉県協会会長の瀬戸山達郎さんに、社会貢献活動への思いや活動を始めたきっかけ、県内での取り組み状況などを伺いました。
一般社団法人
生命保険協会埼玉県協会 会長
瀬戸山(せとやま) 達郎(たつお)さん
佐賀県出身。1993年4月明治生命保険(現、明治安田生命保険)入社。全国転勤で支社・本社等で勤務。地域との関わりが深い職制としては、営業所長を3場所9年、2018年4月神奈川マーケット開発部長を経て、2022年4月所沢支社長。2025年4月生命保険協会埼玉県協会長に就任。埼玉県協会加盟24社の会長として、社会貢献活動の推進に取り組んでいる。
--ライフスタイルの多様化など社会全体が変化する中で、生命保険事業が果たす役割について教えていただけますか。
日本の生命保険の世帯加入率は約90%(2人以上の世帯)と世界的に見ても高い数字ですが、時代とともに社会から求められることは変化しています。高度経済成長期には、一家の大黒柱に万が一のことがあった場合に備える保険が求められましたが、現在は多くの方が長寿化に伴うさまざまなリスクに不安を覚えていて、それらに備える保険が求められています。
生命保険事業の大きな役割は「社会保障制度の補完」です。公的保障では足りない分を、生命保険などの私的保障を組み合わせてさまざまなリスクに備えることで、皆さんが現在も未来も、自分らしく豊かに暮らすことができるように、一人一人に寄り添いながら支えていきたいと考えています。
--生命保険協会が地域貢献活動に取り込むようになった経緯をお話しいただけますか。
生命保険協会の歴史は古く、1908年に社団法人として認可を得て発足し、これまで生命保険業の健全な発達および信頼の維持に取り組んできました。
生命保険は大勢の人が保険料を負担し合い、家族が亡くなったり、大きなけがをしたりという困りごとが起きたときに保険金などを受け取れる「相互扶助(助け合い)」の仕組みです。当協会が社会貢献活動に力を入れている根底には、まず相互扶助の精神があります。
また、私たちの業界の特徴として、地元で採用した営業職員が地域の方々と対面でコミュニケーションを交わしながら仕事をさせていただいていることです。そうした背景から、地域に根差した社会貢献活動に取り組みたいと考えました。
生命保険協会は全国組織ですが、各都道府県に地方協会があり、埼玉県協会でも地域に根差した活動に取り組んでいます。
--埼玉県協会は1991年から「まごころ募金」を開始され、福祉団体への寄付など、福祉業界に多大な貢献をされています。この募金を始めたきっかけを伺えますか。
生命保険協会は1990年に21世紀を見据え、高齢化が進む中で社会的基盤づくりへの貢献が必要だと表明しました。そのひとつの柱として、地方協会の職員が協力しあって地域との良好な関係づくりを目指す「地方CR(コミュニティ・リレーションズ)活動」がスタートしたのです。そこで埼玉県協会でも独自の活動として、「まごころ募金」と、「環境美化運動」(事業所のある地域の清掃活動)を実施することになりました。
「まごころ募金」は埼玉県協会の職員による募金です。職員約1万2千人が在籍する規模の大きな地方協会ですので、毎年大きな金額が集まります。昨年度までの募金総額は約1億4928万円ですが、原点は職員一人一人の小さな気持ちです。
--「まごころ募金」で集まったお金の使い道はどのように決めているのですか。
私たちは地域の福祉ニーズを十分に把握していないため、県社協にも相談し、いろいろ教えていただきながら、最終的には埼玉県協会の総会で承認を得ています。特に力を入れてきたのが福祉巡回車の寄贈です。市町村社協の職員さんは地域をきめ細かくまわりながら、困難を抱えている方を支援されているという実情を知り、毎年、複数台を寄贈しています。昨年度までに114台寄贈しました。
一方、募金のなかから、埼玉県シラコバト長寿社会福祉基金、埼玉県交通遺児援護基金、県社協のひまわり基金(地域福祉活動団体への支援に活用)の3基金に、30年以上にわたって寄付を続けています。
近年では、こどもの貧困などの社会的な課題に対してこども食堂等居場所づくりへの支援を行っています。その他、障がい者団体、児童福祉団体など、さまざまな団体に寄付を実施しています。
--生命保険協会本部として取り組んでいる社会貢献活動についても教えていただけますか。
子育てと仕事を両立できる環境を目指して、保育施設や放課後児童クラブの受け皿拡大や質の向上のため、事業に必要な設備などの整備や備品の購入などに係る費用に対する資金助成をしています。その中で埼玉県協会では、これまで計75施設に助成しています。また、介護・保育人材の育成を支援するために、介護福祉士や保育士の資格取得を目指す学生に対し、返済義務のない奨学金を給付しています。埼玉県協会でも累計で、187人の学生に給付しています。
--最後に地域で福祉活動に関わっている皆さんに向けてメッセージをお願いします。
民生委員・児童委員さんなど地域福祉に関わっていらっしゃる方々と同じように、生命保険会社の職員も地域住民の方々とつながりながら、日々活動しています。立場は異なりますが、福祉と生命保険の共通項は「助け合い」だと考えていますので、お互いに地域の情報交換や情報共有を行いながら、一緒に住みやすい地域づくりに貢献できることを期待しております。