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県社協のご紹介

今月のキラリ(2025年12月)

福祉と医療の専門職が連携して こどもたちの成長をサポート

社会福祉法人恩賜財団  済生会支部 埼玉県済生会川口乳児院(川口市)

 

 病院併設の強みを生かして、福祉と医療の専門職が連携しながら、一人一人のこどもの成長を支えている川口乳児院。日常的に医療的ケアが必要なこどもも受け入れています。

 

 

 

 

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院庭にカラフルな色彩の遊具を設置。遊びを通した発達、発育の支援にも力を入れ、医療的ケア児や障害のあるこどももできる
限りみんなと一緒に楽しく遊ぶ

 

 

 

 

 

 

キラリ

保育士、看護師、個別対応職員、心理士、家庭支援専門相談員などが連携してきめ細かなケアを実施

 

 

 

 乳児院とは何らかの事情で保護者の養育を受けられない乳幼児を養育する施設です。対象は0歳から概ね6歳までで、入所理由は経済的困難、家族の精神疾患、虐待などさまざまです。
 川口乳児院は昭和54年に、済生会川口総合病院併設の福祉事業の一部門として開設されました。定員は30人で13人のクラスが2組と、医療的ケア児4人のクラスを設けています。乳児院は県内に8カ所ありますが、病院併設の施設はほかにありません。
 「病院併設の強みを活かし、福祉と医療の切れ目ないサービスを提供できることが当院の大きな特徴です」と、八木橋克美施設長は話します。母体の病院の小児科医が週1回往診するほか、保育士だけでなく、看護師も24時間365日配置され、日常的に医療的ケアが必要なこどもをサポートしています。
さらに理学療法士、作業療法士などのリハビリ専門職が定期的に訪問し、専門的なアプローチを行っています。例えば嚥下障害のために口から食べることができないこどもに対しては、言語聴覚士が口腔機能をチェックし、日常的にケアする保育士に実践的なアドバイスを行うとともに、看護師や保育士、管理栄養士などとチームを組んで、口から食べることができるようにリハビリに取り組んでいます。
このように福祉と医療の専門職の連携によって、こどもにとっても職員にとっても安心できる環境が整っています。

 

 

「あなたは大切な存在だよ」とこどもに伝えるための取り組み

 

 

一人一人のこどもに寄り添う個別ケアの実践も川口乳児院の特徴です。
 「担当制」を導入し、こどもと担当職員のふたりで遊んだり外出する時間も設けたりして、信頼できる大人との関係づくりに努めてきました。
 また、虐待などの過酷な体験をしたこどもも少なくない中で、職員の皆さんは、こどもたちに対して「あなたが大好きだよ」「大切な存在だよ」ということが伝わるように、かける言葉一つ一つにも心配りをしているといいます。

 そういった職員の思いを形にしたものが、一人一人のこどもたちの日常を撮影した写真を集めて作成したアルバムです。職員の温かいメッセージが添えてあり、退所時に渡しています。「幼くて記憶が残らない時期であっても、“自分はここで愛され、大切にされていた”と感じてもらえる証となり、そのことが、人生を支えるものとなるようにという思いで、作成しています」と八木橋施設長。
 開設して46年が経ち、令和8年度には新築移転することが決まっています。4〜6人の少人数のグループに再編し、より家庭的な環境のなかでの養育となるため、その準備に施設全体で取り組んでいます。

 

 

 

 

☆今月のキラリ人☆

 

福祉の魅力・やりがいを言葉にすると?

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社会福祉法人恩賜財団済生会支部
埼玉県済生会川口乳児院
施設長
八木橋(やぎはし) 克美(かつみ)さん

 

Q1.この言葉を選んだ理由を教えてください。
 

 私は乳児院に来る前、済生会川口総合病院で医療ソーシャルワーカーとして生活困窮の方や、課題を抱えているご家族の相談支援に当たっていました。なかには親子の関係がねじれたり、居場所を失ってホームレスになったり、罪を犯してしまうといったケースも担当しました。
 このように大切な人との絆、社会との絆がねじれたり切れたりしてしまった方であっても、人が関わってサポートすることによって、絆を結び直すことができます。私はソーシャルワークの体験を通してそのことを確信しました。
 乳児院に来てからも、絆がねじれてしまった親子と数多く出会いました。その背景には孤立した状況で子育てをしていて、支援の手が差し伸べられない状況もあると思います。
 しかし乳児院では、専門職が地域の関係機関や里親など、多くの方々の力を借りながら、こどもたちを支える絆づくりに力を注いでいます。人と人がつながり、絆を育み合うことの大切さや、絆のネットワークが拡がることの可能性を実感してきました。そこで福祉のやりがいとして「絆」という言葉を選びました。

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